有機肥料とは
日本の法律では「肥料取締法第2条第1項」で、「植物の栄養に供すること又は植物の栽培に資するため土壌に化学的変化をもたらすことを目的として土地に施される物及び植物の栄養に供することを目的として植物に施される物をいう」と定義されている。
したがって、土壌に施されるものだけではなく、葉面散布などの形で施されるものも、肥料と呼ぶ。反面、養分としてではなく、
土壌の改質のみを目的としたものは、肥料とは呼ばない。 また、人間が施したものではなく、もともと土壌中に含まれていた栄養分については、
一般に「肥料分」などと言い分けることが多い。
農業は、土壌から栄養を吸って生育した植物を持ち去って利用する行為であるため、減少した窒素やリンなどを土壌に補給しなければ、持続可能な農業は不可能である。
肥料はこの補給の目的で用いられる。 とりわけ、窒素・リン酸・カリは3大要素と呼ばれ、通常の配合肥料には必ずこれらが含まれる。
この他に、後述するカルシウム、マグネシウムなどの要素も肥料として施す必要がある。
肥料の三要素
窒素、リン酸、カリウムを、肥料の三要素と言う。
特に植物が多量に必要とし、肥料として与えるべきものである。
窒素主に植物を大きく生長させる作用がある。
特に葉を大きくさせやすく、葉肥(はごえ)と言われる。
過剰に与えると、植物体が徒長し、軟弱になるため病虫害に侵されやすくなる。逆に、軟らかい植物体を作りたいときは窒素を多用するとよい。
また、窒素はどのような性状の窒素であるかにより肥効が左右される。アンモニア態窒素(硫安、塩安など)は土壌に吸収・保持されやすいので肥効は高い。
しかし、土壌でバクテリアにより硝酸態窒素に変化すると土壌に吸収・保持されにくいので流亡してしまいやすい。
有機質の肥料や尿素などは土壌でアンモニア態窒素に変化し、さらに硝酸態窒素に変化する。
アンモニア態窒素は多用するとアンモニアガスを生じ植物体に障害を与える場合がある。この現象は施設園芸でよりおこりやすい。
リン酸主に開花結実に関係する。花肥(はなごえ)または実肥(みごえ)と言われる。可溶性リン酸と、く溶性リン酸が植物に吸収される。
なお、可溶性リン酸とは、アルカリ性クエン酸アンモニウム溶液に溶けるリン酸で、この中には水溶性リン酸も含まれる。
カリウムカリとも呼ばれ、主に根の発育と細胞内の浸透圧調整に関係する。根肥(ねごえ)と言われる。水溶性のため流亡しやすいので、追肥で小出しに与えるのがよい。
細胞内ではイオンの形で存在するため、細胞が死ぬと細胞外へ流出しやすい。また、植物体内での転流も容易。
有機肥料(有機資材)の紹介
有機物を原料とした肥料。有機肥料を施用する事と、有機物を施用することも混同されがちであるので、注意が必要である。
有機物により土壌内の微生物に栄養分が与えられるため、無機肥料よりも土壌に良いと考える人もいる。
ただし農業は肥料だけでおこなうものでないため、一概に有機肥料が無機肥料より優れているとはいえない。
例えば、完熟していない有機肥料では悪臭、ガス発生、害虫発生等の問題が発生することがある。
肥料を発酵させることによって、養分が分解され利用しやすくなり、有害菌が増殖して病害が起こることを防ぐことができる。
有機物は時間をかけて分解され、その後植物に吸収されるため即効性は低いが、そのかわり土壌に長期間蓄積される。
従来、植物は基本的に無機物を吸収し栄養としていると考えられてきた。ほとんどの栄養分は無機物として吸収されるが、一部の有機物はエンドサイトーシスにより、養分として取り込まれることもある。
タンパク質の場合、細胞内にタンパク質を取り込んでからタンパク質分解酵素で消化して利用する。アミノ酸では直接利用されるものがある。
このため、有機物の肥料としての有効性も研究されてきた。2002年には、独立行政法人の農業環境技術研究所が植物が根から無機質ではない有機質のタンパク質様窒素を吸収することを証明している
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